お金本

『闇金ウシジマくん』は何が面白いのか?【サウナのような気持ちよさ】

最近、闇金ウシジマくんにハマっています。

多くの人が、「闇金ウシジマくんは義務教育に入れた方がいい」と語るこの作品。

 

その面白さはなんなのか?
僕らの人生に、どう役に立つのか?

「読んでみたいけど、なんか怖そう…」という理由で手を出せていないあなたに、闇金ウシジマくんの魅力をお伝えします。

福ねこ
福ねこ
最後までよろしくね。

闇金ウシジマくんは「精神のサウナ」

サウナハットをかぶった人のイラスト(男性)

完全に個人的な意見ですが、

闇金ウシジマくんは、サウナです。

サウナは、高温の部屋で体を温め、次に水風呂に入って体を急激に冷やし、次に外気浴をします。

このサイクルを2〜3度繰り返すと、外気浴のときに、「ととのう」と表現される、究極に気持ち良い状態になれます。

サウナ後の外気浴のイラスト

ただ外気浴をするだけだと、なにも感じません。外を歩いているのと同じ。ふつうです。

しかし、前もって「超高温」「超冷却」という地獄を味わうことで、その後の「ふつう」が「天国」に感じられます。

喉がめちゃくちゃ渇いてる時に飲むミネラルウォーターが天上の飲み物に感じたり、腹がスカスカに減っているときに食べる吉野家の牛丼が高級フレンチよりも美味しいのと同じ。

闇金ウシジマくんも、サウナのような感覚を味わえる作品です。

読んでいて、正直コワイです。目を瞑りたくなるシーンも多い。

1巻からフルスロットルでグロいし怖い。最後に救いもなく、バッドエンドが8割。

お金で失敗した登場人物は、自業自得ですが、徹底的に不幸な最期を迎えます。

読んでいる時は、サウナや水風呂に入っているときのように、キツい。もっともこちらは、肉体的ではなく、精神的にキツくなります。

しかし、本書を読み終えた後、どこかフワッとした浮遊感が訪れます。

この感覚はどこからくるのか?

漫画で味わった恐怖感や絶望感と比較して、自分の現状が、「すごくいいもの」に思えてくるんです。

サウナと水風呂を繰り返したあとの、外気浴の感覚とよく似てます。

つまり、地獄を見せられた後だから、平凡な自分の人生が「天国」に思えてくる。

福ねこ
福ねこ
闇金ウシジマくんの旨味は、漫画を閉じた5分後にやってくる。

闇金ウシジマくんは「人生転落図鑑」

アホ女の基本は、見栄っ張りだよな。自分をちゃんと知ってる奴は、身分相応に生活すンだろ。無理して相手に合わしてもその場限りだし、無理して着飾っても一瞬の優越感しか味わえねぇ。見栄っ張りの連中は、そんなのが無意味だって気付かねーのな!

闇金ウシジマくん1巻「若い女くん」より

闇金ウシジマくんは、お金の勉強になります。

お金について解説された本であれば、「こうすればお金持ちになれますよ」「こうすれば貯金できますよ」みたいな”うまくいく方法”が解説されています。

しかし、闇金ウシジマくんはその逆。

「こうすればお金で大失敗しますよ」という人生の転落パターンが、図鑑のごとく網羅されています。

パチンコ依存、買い物中毒、見栄っ張り、風俗…

なかでも、第1巻の『若い女くん』は、刺さるものがありました。

なぜなら、登場人物が「普通のOL」だからです。

地獄への入り口は、誰しもそう遠くない場所に置かれているという怖さがあります。

周りに合わせて見栄を張って服や旅行にお金を使いまくり、買い物中毒になって借金で首が回らなくなる。

返済のために風俗で働くことになり、性病になるわ、そこで知り合った風俗嬢に薬漬けにされるわ…

かなりショッキングな結末を迎えます。

せつやくま
せつやくま
「見栄」は誰しも大なり小なり持っている感情です。だからこそ、注意しないといけない。減らしていく必要があると考えさせられる話でした。

ドラマ・映画版と原作の違い

 

闇金ウシジマくんは、漫画だけでなく、映像化もされています。

山田孝之さん主演で、ドラマはSeason1〜3の3クール、映画はPart1~3・ファイナルの4本が公開されています。

僕はドラマを5話くらい、映画を2本観たことがあります。その上で、原作漫画との違いをお伝えしていきます。

表情の表現

個人的に最も違いを感じたのは、登場人物の「表情」。

当然ですが、”俳優の演技”と”漫画の描写”では、表現の幅が違います。

断然、原作漫画の方が迫力があります。

都会の冷たい人物の洞穴のように暗い目、顔のパーツが異様に真ん中に寄った不気味な顔、取り立ての際の鬼の形相、負の感情に支配された債務者の鋭い目…

登場人物の性格を強調したような独特な表情は、プロの俳優でも真似できません。

グロシーンの有無

映像化できないくらいグロい、残酷なシーンが多いです。

僕はグロいシーンはどちらかというと苦手。ですが、グロさがあるおかげで、前述のサウナのような地獄を疑似体験できる。

中途半端にマイルドにすると、あまり刺さらない内容になるはず。

ウシジマくんの素

普段の強面とギャップのある、主人公ウシジマくんの素が見れるのは原作漫画だけ。

彼は、家に10匹以上のウサギを飼っていて、外では見せない優しい表情で世話をしています。

仕事を確実に遂行する力強いところだけでなく、こうした一面も見ると、より魅力的なキャラに思えてきます。

闇金ウシジマくんを読んだその日から行動が変わる

芥川賞作家の羽田圭介さんは、良い本を「読んだ後になにか行動したくなる本」と定義しています。

その定義で言えば、闇金ウシジマくんは間違いなく良い本。

僕の場合、貯金・節約につながる行動が促進されました。

具体的には、外食を控えてスーパーに買い物に行き、服屋に行かず、kindleで読みたかった本を買いました。

中身は恐ろしい内容ですが、見栄を張ることがバカらしくなり、日常の些細なことが幸せに思える良い漫画です。

貯金を増やしたい人、今後お金で失敗する危険性を減らしたい人にはオススメ。