仕事本

『良い戦略・悪い戦略』を超わかりやすく要約してみた

選択と集中。

 

今回は、戦略研究の第一人者、リチャード・P・ルメルトによって書かれた。
『良い戦略・悪い戦略』
の内容を要約してお届けします。

 

この本を読んで得られるのは以下のこと。

・悪い戦略をしていないか判断できるモノサシ
・良い戦略の特徴
・良い戦略をつくる3ステップ

恋愛・ビジネス・スポーツなど、あらゆる物事を成功させるために重要となる、戦略の立て方が丸わかり。

読み返すたびに気づきが得られ、戦略を立て直すのに重宝している一冊です。

福ねこ
福ねこ
最後まで楽しんでいってね。
せつやくま
せつやくま
まずは良い戦略と悪い戦略とを分つ、2つの項目について見ていこう!

良い戦略・悪い戦略の分岐点
①「選択と集中」

person holding black camera lens

1つ目の項目は「選択と集中」がなされているかどうかです。

悪い戦略の場合

悪い戦略には「選択と集中」がありません。

そうなると、本当に重要な課題の見極めができず、リソースが分散して、どれも中途半端に終わってしまいます。

「選択と集中」を避ける悪い戦略がはびこるのは、それが面倒だからです。
都合の悪い重要な課題から目をそらしているのです。

「選択と集中ができていない」とは、例えば以下のようなことです。

・矛盾する2つ以上の目標を掲げる
・目標が多すぎる
・的を絞らず、手を広げすぎる
・商品ラインナップが多すぎる

わかりやすく言えば、「高校生が野球選手とサッカー選手を同時に目指すようなもの」です。

どちらも中途半端になって、一つの目標に邁進しているライバルに負けてしまうのは、明白でしょう。

良い戦略の場合

良い戦略には「選択と集中」があります。

課題を見極め、その克服に行動とリソースを集中させます。

「最も効果が上がりそうな所に最強の武器を投じる」、これが戦略の基本です。

課題が多ければ、一つの課題に集中。
その課題を解決させてから次の課題に移ります。

重要な課題から目を逸らしてはいけません。
鎖構造を持つプロジェクトを動かす場合、1つでも弱い環(わ)があれば、機能しなくなります。

具体例をあげます。

1986年1月28日、スペースシャトル「チャレンジャー号」の発車直後に部品の一部のリングが破損し、ロケットは空中分解しました。

乗組員7人が死亡したこの事故で言えば、「部品の一部のリング」が「弱い環」になります。

まとめると、

課題を見極め、そこから目をそらさず、行動とリソースを集中させる

これが「選択と集中」のキモです。

良い戦略・悪い戦略の分岐点
②「行動の指針」があるか

person holding compass facing towards green pine trees

2つめは、「行動の指針があるか」です。

悪い戦略の場合

悪い戦略には、具体的な行動に繋がる指針が含まれていません。

「毎年20%成長する」といった目標を、戦略と混同をしている場合もあります。

また、わかりきったことを複雑に表現し、中身の無さを厚化粧で隠すのも悪い戦略の特徴です。

曖昧でなにをすればいいかわからない戦略は、悪い戦略です。

良い戦略の場合

良い戦略には、取るべき行動の指針が含まれています。

よってメンバーが「何から手をつけていいかわからない」となるのを避けることができます。

本書で紹介されていた、著者の友人のステファニーの例をご紹介しましょう。

彼女は町の小さな食品店のオーナー。
地元にできたスーパーマーケットとの競合が悩みのタネでした。

brown wooden table and chairs

著者にアドバイスを受け、彼女は、「忙しく働く人たちのニーズに応える」という基本方針を定めました。
さらに具体的に、「忙しくて料理する時間のない人」をターゲットに絞り込みます。

この方針により、無数にある打ち手の中から、

・2台目のレジを設置する
・退社時刻や昼食時に店員を多めに配置する
・駐車スペースを用意する

といった一貫性のある行動を選べるようになりました。

この例からもわかるように、良い戦略には、具体的な行動につながる指針が含まれています。

良い戦略をつくる3ステップ

number 3 logo

では、良い戦略をつくるにはどうすればいいのでしょうか?

本書では以下のような3ステップが紹介されていました。

①診断
②基本方針
③行動

医師の仕事を例にして、1つずつみていきましょう。

①診断

状況を診断し、取り組むべき課題をみきわめる。良い診断は死活的に重要な問題点を選り分け、複雑に絡み合った状況を明快に解きほぐす。

『良い戦略、悪い戦略』より

医師を例にすれば、病気の原因を発見することです。
診断を行い、病名をつけます。

②基本方針

診断で見つかった課題にどう取り組むか、大きな方向性と総合的な方針を示す。

『良い戦略、悪い戦略』より

医師を例にすれば、治療法を決めることです。

③行動

ここで行動と呼ぶのは、基本方針を実行するために設計された一貫性のある一連の行動のことである。すべての行動をコーディネートして方針を実行する。

『良い戦略、悪い戦略』より

医師を例にすれば、治療法にもとづいて一連の行動を調整し、完治を目指すのが行動です。

おわりに

ここまでの内容を、以下にまとめます。

人生、なにに取り組むにも、戦略を立てるのが上手い人が有利です。

この本には、特に複雑なことは書かれていません。

むしろ、この本に書いてあることを意識するだけで、こんがらがっていた頭がシンプルに整理されていくことでしょう。

定期的に読むことで、悪い戦略に陥るのを防ぐことができます。

福ねこ
福ねこ
気になる人は、ぜひ読んでみてね。