仕事選び三種の神器は
「自由」、「達成」、そして…
今回紹介する本は、鈴木裕さんが書かれた、
『科学的な適職』
です。
□楽しく働きたい
□今の仕事がツラい
□自分に向いている仕事がわからない
上記に当てはまる人には要チェックの1冊。
これまでの仕事選びの常識を覆しつつも、自らの経験と照らし合わせると、非常に納得度の高い内容でした。
内容が盛りだくさんなので、ダラダラと全体を語ることは避けます。
その代わりに、
「これはガチで大事!」と感じた、
「仕事選びのポイント3つ」
に厳選してご紹介していきます。
この本を読むかどうかで、今後あなたが天職に出会うかどうかが決まるかも。
もくじ
仕事選びのポイント①自由
仕事の幸せを左右する上で最も重要なポイント。
それは「自由」。
1380人の労働者を集めた台湾の研究では、以下のような結果が出ました。
職場の自由度が上がるほど仕事の満足度は上がって離職率が下がり、ストレスの大きい作業をしていても、ネガティブになりにくい傾向があった
また、ロンドン大学が公務員を対象に行った研究では、
グループA:タバコを吸うけれど、職場の自由度が大きい
グループB:タバコを吸わないが、職場の自由度が小さい
の2グループを比較すると、グループBの方が体を壊しやすく、慢性病にかかる確率も高い傾向がありました。
「職場内で自由を制限されることは、タバコよりも体に害がある」ということです。
◉女性=仕事に取り組む場所とタイミングの自由が効くほど幸福度は上がる
◉男性=仕事の進め方と作業ペースの自由が効くほど幸福度は上がる
『科学的な適職』より
職場の自由度が上がるほど仕事の満足度は上がって、ストレスのかかる仕事も苦でなくなる。
健康にも良い影響がある。
女性は場所とタイミング、男性は仕事の進め方と作業ペースの自由を重視すべき。
仕事選びのポイント②達成
仕事のやる気を左右する最も大きな因子は、「ものごとが前に進んでいる感覚」です。
7つの会社から238人のビジネスマンを集め、パフォーマンスの変動を12000時間にわたって記録し続けたハーバード大学の2011年の研究では、
人間のモチベーションがもっとも高まるのは、少しでも仕事が前に進んでいる時
という結論が出ています。
これを踏まえ、仕事探しで要チェックなのは以下の2点。
・仕事のフィードバックはどのように得られるか?
・仕事の成果とフィードバックが切り離されていないか?
仕事を行ったことによる反応がすぐに得られるのが理想です。
本書で紹介されていた「料理人の例」がわかりやすかったのでご紹介します。
厨房から、自分の作った料理を食べたお客さんの反応がすぐ見えるのは理想的。
逆に、厨房から客席が見えず、ひたすら料理を作り続けるだけだと、達成感が減ってしまいます。
「前に進んでいる感覚」がモチベーションを左右する。
やった仕事のフィードバックがすぐ得られるのが理想。
仕事選びのポイント③貢献
2007年、シカゴ大学は「高い満足度を得られる仕事の条件」について調査しました。
結果、満足度が高い仕事には、
・他人を気づかう
・他人に新たな知見を与える
・他人の人生を守る
という「貢献」の要素が共通して含まれていました。
逆に、満足度の低い仕事は、レジ打ちやピッキング等の単純作業が多い。
理由は、「仕事が他人にどう貢献しているのか」が見えづらいからです。
脳科学の研究では、社会に役立つ行為をした直後には、頭の中にドーパミンが溢れ出すことが明らかになっています。
この時の脳内の状態はドラッグを使用したときの状態と似ていることから、一部の学者からは「ヘルパーズ・ハイ」と呼ばれているそうです。
エンドユーザーと直接関わる仕事や、クライアントと直接やりとりをする職業が、「貢献感を得る」という意味では最高です。
満足度が高いのは「貢献度が高く、貢献感を得やすい仕事」。
エンドユーザー、クライアントと直接関わり、感謝される仕事だと最高。
おわりに
いかがでしたか?
今回紹介した内容は、この本の10%くらい。
他にも、
・仕事選びにおける7つの大罪
・高い成果を出すビジネスマンほど自らの○○に注意している
・プライベートで仕事のことを「考えただけ」でも幸福度が激減する
など、仕事選びで失敗しないための重要項目が目白押しです。
転職しない人でも、今の仕事を「楽しい仕事」に進化させるために、役に立つ内容となっています。